「園小連携」を語る!
2024-09-06
本日のブログの話題は、今年度本園でも重点的に取り組んでいる「園小連携」がテーマです。(少し長めです。ご容赦ください…)
須坂市ではこれまで、「学びのあり方検討会議」、「須坂市小中学校の適正な規模及び適正な配置のあり方について」を検討してきました。私も両会議の委員を3年間務めさせて頂き、幼児教育の立場から育ちの連続性について提言をさせて頂きました。会議の中では、園小連携による非認知能力の育成、幼児期からつながる小中一貫教育の推進が提言され、各校、各園で取組を進めてきました。
本年度は園小で協力して須坂市の架け橋期のカリキュラム「遊びと学びをつなぐ」を作成してきました。(本園の連携校は小山小学校になります。)このカリキュラムについて、園少連携の窓口となる主任、また経験年数を重ねた年長担任には徐々に浸透しつつあると思いますが、経験年数の浅い先生や、当事者意識の薄い未満児の先生には浸透しているとは言えません。ようやく根付いてきた園少連携の意識を、いかに園全体に波及させていくかが本園の今後の課題かと思います。
また、「幼保小の架け橋プログラム」では、園小連携が形式的な取組とならないよう、家庭や地域も一緒に「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を手掛かりに、子どもの姿を起点に話し合いを深めることが大切としていますが、この点については、毎年本園が行っている学校関係者評価を見ても、「園小連携」に対する保護者の評価は低いように思います。これは本園の情報発信に問題があるのも否めませんが、「園小連携」の重要性を保護者や地域が十分に理解していないことに大きな問題があると感じています。本園の取り組みとしては、個別懇談会や保育ドキュメンテーションの際には「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」のピクトグラムを使用し、保護者と育ちの姿を共有する取り組みを始めていますが、これも深く浸透するのには今しばらく時間がかかりそうです。また、私学という性質上、地域社会とどのように関わったらいいか悩むこともあります。
「幼保小の架け橋プログラム」では、園小の教育のつながりを意識した活動が、子どもの豊かな体験を生み出し、主体的・対話的で深い学びの実現につながるとしていますが、この点について本園では、小学校の授業風景を参考にし、朝の会を従来のスクール形式(=教師vs子ども)から脱却し、サークル形式やコの字(=教師with子ども)にして行う日を設けてみました。子どもたちから出てきた意見を保育者が生かし、子どもたちの声を拾った朝の会を行うことができました。子どもたちの意見を掬い上げ、活動が新たな方向性へ向かう様子も見られました。これも大きな成果の一部かと思います。
また、絵画指導においては、それまで一律の大きさに切った画用紙に絵を描いていましたが、小学校の授業を参考に、子どもたちに画用紙の大きさを選ぶ活動も取り入れてみました。「全員が同じでなくても良いこと」を実感した瞬間でした。小学校の授業と言うと、自分が子どもの頃のイメージ(=一斉授業のスクール形式)が先行してしまいますが、小学校の授業も変わってきています。そのことを理解し、私たちも従来の保育から脱却していかなければなりません。
「幼保小の架け橋プログラム」では、園小の先生が、気軽に話し合える関係を構築し対話を大切にすること、園小の合同研修会、意見交換の機会を設けることが大切と述べられています。1学期には園長、主任が小学校の授業参観に行き、学校の授業風景を見学させて頂きました。また、1学期の終わりには小学校の先生方が研修会にお越しいただきました。授業参観を通じ、園側が「小学校の(特に生活科)授業は、園の生活と大きな差はない」ことを認識しました。園でそれまで培ってきた力が、継続的に育っている姿を多くみることができました。
最後に「園小連携」の雑感ですが、1つの園から1つの小学校に進学していく園小と、本園のように1つの園から複数の小学校に進学していく園小の温度差を感じます。また、その地域性や学校間の距離によっても「できること・できないこと」はあるでしょう。この園小連携にはbetterな形はあっても、これがbestの形はないように思います。Bestな終着点や目標地点はないように感じます。むしろ各々の実情が異なる中、bestな形は求めなくてもいいのかもしれません。大切なのは毎年園小間で協議を重ね、信頼関係を深め、より良い方向性(more better)を求めていくことが必要だと思います。
~おまけ~
プールの解体した跡地に、はだしで遊べるエリアが登場しました!